「あなたは俺に殺されてもいいのか!?
血を吸われ、
生き方も、生きる時間さえも違う、この吸血鬼の俺に、何度も血を吸われすぎて殺されかけただろう!!
あなたは本物のバカか!
これ以上俺に近づくな!!」

ありったけの彼女を思う気持ちと強がりで言い、拳を握った。


背後には彼女の気配。

返事は返ってこない。


俺は白くなった手の力を緩め、窓に手をかけた。


「…いいわ」


彼女の言葉に体の動きが止まる。


「あなたに殺されても、いいわ。
あなたと…あなたの傍にいれるなら、私は殺されても構わない。」


強気な声。
全く震えもしないで、言い切ったその声に俺は思わず振り返った。


途端に腹回りが苦しくなった。

見下ろすと、ブロンドの髪。

彼女が何も身につけていない姿で、俺の体に腕を回して抱きついていた。


「だから…お願い…私を連れて行ってっ…」


彼女の言葉に、俺の限界だった思考回路は違う方向へと流れ始めた。