彼女の血は、俺が最初に思った通りに、今までに無い程美味だ。

今ではそのせいで、彼女の血以外の血は身体が受け付けなくなってしまった。


「ん…ベズナル…いるの…?」

彼女は目を覚ましたらしく、目を擦りながら上半身を起こした。

「姫、申し訳ない。少々頂きすぎたようだ。お体の方は、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。もう、この体もあなたに慣れたようね。」

ニッコリと微笑んだ彼女の顔を見て、思わず自分の唇を彼女の唇に押しつけた。

「ん…」

舌を入れて絡め、味わうと彼女もそれに応えてくれる。

唇を離すと、2人の間を月光に照らされた銀糸が繋いですぐに切れた。


顔を真っ赤にした彼女は、俺の瞳をすがるような目で見てくる。

俺がそれを拒むことなんて出来る訳も無く、そのまま彼女を押し倒した。