みどりは専業主婦だった。

学生の頃は『モノクロ人形』と言うあだ名があった程、無表情で無愛想で無口で、真っ黒な綺麗な瞳と髪に真っ白な肌をもつ美少女だった。

男子からの人気はあったがただ遠くから言うだけで、女子からは恐れられていて誰にも話しかけられ無かった。


そんなみどりに気軽に話しかけたのが、淳だった。
今時のファッションに、髪を染めてピアスを開けた元気で明るい淳は、みどりにとって新鮮で飽きない存在だった。


高校3年の時、みどりは始めて告白を断らなかった。
相手が淳だったから。


それから3年付き合い、2人は大学生の時に結婚した。


またそれから4年後。

みどりは淳が他の女の肩を抱いて歩いている所を、スーパーの帰りに見てしまったのだ。


みどりはひどく冷静だった。


そのまま役所に向かい、
離婚届を受け取った。