「お母さん、私ね、今日、〇〇病院で手術受けることになってるの。で、その手術で私の声、無くなるの…だ…だから…」

涙が押さえきれずに流れた。

電話の向こうのお母さんは、何も言わない。

不安になり始めた頃、お母さんの声が、また耳に響きいた。

『待ってなさい。今すぐお父さんとそっちに行くから。』

お母さんはそれだけ言うと電話をすぐに切った。

今すぐ…
来る!?


慌てたのは一瞬。
そのすぐ後に、看護師さんに見つかって「手術前はベッドで休んでいてください!!」と怒られたからだ。


ベッドに連れ戻されて、ぼーっとしていると、ノック無しにドアが開き、伊月さんが凄い剣幕で入って来た。