そして───、
今宵が一層カッターをもつ手に力を入れたとき、オレは今宵の右手を強く掴んだ。
「?!……亜流?」
驚いた顔をする今宵にオレは、息がしづらい中言葉を吐き出す。
「……やめろ、今宵…
死のうと…するな……」
今宵の息を飲む音が聞こえる。
「死んだら、何もかも……おわりだ…」
「………自殺したら、今までの思い出は全部、きえて…しまう……」
「っ」
「………お、前は…オレとの思い出を……なかった、ことにするのか?」
「っっ」
今宵の顔に、戸惑いが浮かぶ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…