「「えー!!」」


一部でブーイングが起きたが、先生は何食わぬ顔で「さ、始めよう!!」とブーイングをスルーした。
というか…高校でもやるんだ…自己紹介。


とりあえずどうすればいいか分からなくて迷っていたら、先生が「班にしろー」っていうから…班にした瞬間。


「あぁ!!
ふ、風牙アンタ同じ組だったの!?」


…優奈の叫び声が響いた。皆が、さっきの入学式みたいにまた一斉に此方に振り向いて、また赤くなって俯く優奈。

優奈…気持ちは分かるけど、少しは学習しようよ…。


「…皆。自己紹介、始めよう。とりあえず、好きなものとか趣味とか言ってくれ」


「おぉ…そうだな!!
んじゃ、こういうのは男からやるもんでしょ。俺からでもいいの?新入生代表クン。」

「ああ。構わないが…その、"新入生代表クン"てのは止めてくれるか?…正直イラつく。」

「おっと、見た目に似合わず毒舌なんだな風牙クン」

「キモい。早く自己紹介をしろ」


「はいはい。手厳しいねぇー」そう言った男の子はちょっとチャラチャラしてて、軽い感じだ。
何故か、目が合ったらウィンクされたけど。


「俺、守口 玲於(モリグチ レオ)。気軽に玲於って呼んでね。趣味はゲームで……好きなのは君」

そう言った守口くんは東堂くんの隣で班の一番前の女の子の顎を持ち上げて、顔を近づけた。女の子は当然顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせてる。


「ふぇ…ちょ、あの…何するんですか…!!」

「反応…可愛すぎ。
ねぇ、俺と付き合ってみない?」

「ふあ…!?
ば、馬鹿な事言わないで下さい…!!」

「俺は本気なんだけどなあ…?」

「ひぃ…!!だ、誰かあ…」


そう女の子が言った瞬間ゴンッという音がして守口くんが頭を抑えてしゃがみこむ。

何事かと守口くんの後ろを見ると、拳を作った金髪のつり目のカッコいい人が立っていたのだ。