花音side



んー…
優奈どうしちゃったんだろ?
さっきまでは凄い楽しそうだったのに、急に顔がびっくりしたり、赤くなったり青くなったり…謂わば百面相?

不安で優奈を見れば何故か、また頭を撫でられるけど…
どうやら、あの新入生代表が原因らしい。
そんな事を考えてる内に、いつの間にか新入生代表の東堂くん?が話始めた。



「春の桜も場所によっては散り始めましたが、外一帯は桜色となりました。


その様子を見ると、春と同時に僕達一年生の高校生活が始まるんだと感じます。


そして、今日。僕達の新たな学園生活がスタートします。慣れないことも多い中、二年生と三年生の先輩達に支えられ、僕達はこの西南高校での三年間を楽しみ、素晴らしいものにしていきたいです。


これで、新入生代表の言葉を終わります。


新入生代表――東堂 風牙。」



そう言って東堂くんが一礼をすると、わっと盛大な拍手が巻き起こった。私も、同級生とは思えないしっかりさに拍手をしたけど…
優奈は拍手をしないで、そっぽを向いていた。その表情は…なんていうか『(`へ´*)ノ』…こんなかんじ?


「ねぇ、優奈。
あの東堂くん?と、知り合いなの?」

「知り合いもなにも!!…いや、なんでもない」

「え!?…そこは教えようよ~」

「だって……」

「私と優奈は友達でしょ?友達に隠し事禁止!!」


私がそう言うと優奈はうっと言葉に詰まり、また百面相をしながらうねっていた。だけど、暫く経つともう決めたのか…私の方を見た。


「……幼馴染み」


優奈がポツリと呟く。


「え?」

「だから、あたしと風牙は幼稚園からの幼馴染みなの」

「え、そうなの!?
…でも、別に隠す必要はないんじゃ…」

「それはアタシがアイツの事を嫌いだから。噂とかされて迷惑するし。ただ、それだけ」

「…本当に?」

「もう!あたしが花音に嘘吐くと思う?」

「だよね~ごめんね優奈」

「分かればよろしい!!」





でもさ優奈、やっぱり東堂くんの事嫌いじゃないよね?


だって、嫌いって言った時の優奈の顔…

凄く切なそうだったよ?