花音side


「しょうがないし、風牙が面倒臭いからあたしから言うね」

「優奈。お前後で覚えとけよ」

「………あたしの名前は蒼井 優奈。趣味は料理で、好きなものは…甘いものかな?」

「何今さら乙女ぶって嘘ついてんだよ。お前が好きなのはサラミとか柿ピーみたいな親父系おつまみだろ」

「ちょっと!!そこ黙ってくれる!?」


さっきから思ってたんだけど…東堂くんってこんな性格だったけ?

なんか入学式の挨拶で、私自身、爽やかなイメージを持っていたから…ちょっと怖い、かも。

でも、もう1つ思ったのは…やっぱり優奈、東堂くんの事嫌いじゃないと思う。だって…あんなに仲いいしね!!

そう思ってたら、隣の荒崎君から話しかけられた。


「あいつら仲いいな」

「やっぱりそう思うよね!」

「結核するほど仲がいいって言うしな!」

「荒崎くん…結核じゃないよ喧嘩だよ。
結核し過ぎたら死んじゃうよ」

「あ?そうなのか?
ま、どーでも良いじゃねぇか」


まあ、どーでもいいんだけどさ…。
荒崎くんって…もしかして、ちょっと馬鹿?

なんて失礼なこと考えてたら、いつの間にか話は進んでたらしい。
あの真っ赤になった女の子の自己紹介だった。