溺愛彼氏×ドジな彼女



優しく莉音の唇に触れる。

莉音…好きだ。
そんな想いを込めて。

唇が触れると同時に、莉音が俺の服の袖をつかんでくる。

俺こういうのに弱いんだよな…。


唇を離して、もう一度重ねる。

「…佑斗っ///」

俺の服を掴む手が、さらに強くなる。
可愛い…。



莉音…
もっと…もっと…
莉音に…触れたい。



唇を離すと苦しそうに、呼吸をする莉音。









「ずっと不安だったんだろ?
 だからその分、感じさせてやるよ。
 不安も…忘れるくらい…」

「ゆうっ!!」

俺は話そうとする莉音を無視して、唇を重ねる。

莉音の甘い声が、耳に届く。
俺は、かまわずキスをしていく。




「莉音…好きだよ」
絶対離さない。








「寒っ~!!」
帰り道、冷たい風を受け思わずもれた言葉。

「大丈夫か?」
心配そうに顔をのぞきこみ、聞いてくる佑斗。

「だっ大丈夫だよ///」

そう言った私を、じっと見つめる佑斗。

「なっ何///」

すると佑斗は、急に私の手をつないできた。

「…こうしてたら、ちょっとはあったまるだろ。」

少し照れて、目をそらす佑斗。

「…可愛い///」

「…バカにしてんのか?」

「ちっ違うよ!!
 ただ…」

「ただ?
 何だよ?」

「…照れてる佑斗が、可愛いくって」

「っ!!
 別に照れてねぇよ!」

「嘘だぁ~!」

「嘘じゃねぇよ!」

そうやって動揺してる時点で、怪しいけどね。




「…いいから、早く帰んねぇと風邪ひくぞ。」

「うんっ。」

そう言って私たちは、手を繋ぎ歩き出した。


「なぁ、莉音。
 …クリスマスってヒマ?」
私の家の前…別れ間際に、言った言葉。

「うんっ!
 ヒマだよ?」

「じゃあさ、デートしねぇ?」

「へっ!?」

「…嫌?」

「うっううん!!
 嬉しい///」
クリスマスに佑斗といれるなんて…。

「じゃあ決定な♪」

「うんっ!!」

「クリスマス…楽しみにしとけよ?」
そう言って佑斗は、優しく頭を撫でる。

「うっうん///」

「じゃあな」

「また明日ね!」





佑斗とわかれ、部屋に入る。
「はっ!!
 そうだっ!
 クリスマスプレゼント!!
 …何がいいかな…」

う~ん…できれば、身に付けるモノがいいなぁ。
ネックレスとか??
…よしっ!
明日、アクセサリーショップに行こう♪
そしたらいいの見つかるかも…!





放課後。

「佑斗、今日用事あって…一緒に帰れないんだ…」

「…そっか。
 ん、わかった!
 じゃあ、また明日な」
そう言って私の頭を撫でてから、佑斗は帰った。



少し時間をおいてから、学校を出て私はアクセサリーショップへ急いだ。

「あっ!
 これもいいかも!
 どうしよ…」
何て、店につくなり悩み出す私。

「お客様、お悩みですか?」
優しそうなお店の人が、そう声をかけてきた。






「…はい。」
すっごく悩み中です…。

「どういったモノをお探しですか?」

「カッコイい感じので…」

「どなたかへの、プレゼントですか?」

「はっはいっ…かっ彼氏に///」
彼氏って何か人に言うの恥ずかしい///

「まぁ!素敵ですね!
 じゃあ、自分でセレクトできるネックレスはどうですか?
 これなら、お好きな言葉もいれれますよ。」

「自分のセレクトですか?
 いいですね!!
 あっ…でもおいくらですか…?」

「選んだチャームにより、異なるので…。
 作ってから、お考えになってもかまいませんよ?」

「ホントですか??」

「はい。」
そうニッコリと微笑むお姉さん。

「じゃあ、お願いします!」

「かしこまりました。
 では、どうぞこちらへ…」




お店の人についていき、部屋に入る。

ガチャ

「わぁっ~すごいっ」
部屋の中には、たくさんの種類のチャームが並べてあった。

「お好きなチャームを、5つお選びください。」

「はいっ♪」
なんだかワクワクする…!!


数時間後…

「選べましたっ!!」
そう言って、5つのチャームを手渡す。

1つ目は、幸せを祈るクローバー。
2つ目は、いつも私を助けて…守ってくれる佑斗を表した剣。
3つ目は、クリスマスを表しす雪の結晶。
4つ目は、私の想いを表すハート。
5つ目は、名前のイニシャル•Y。

「こちらに入れる言葉は、何にされますか?」

「じゃあ、Forever Loveで///
 お願いしますっ」

「かしこまりました。
 少しお待ちください。」




少しして、さっきのお店の人が出てきた。
「お待たせしました。
 こちらで、お値段を計算させていただくとこうなります。」
そう言って、電卓を差し出してくる。

「…」
えっ…ネックレスって以外と…する…??
今月、金欠気味の私には、キツい値段。
でも、この想いを込めたネックレスを…佑斗に、プレゼントしたい。

「…あっあの!
 とりあえずこのまま、おいといてもらえますか?
 クリスマスまでに、買いに来ますんで!」

「かしこまりました。
 では、こちらに住所とお名前を…」




「ありがとうございました~」

お店を出たあと、
「よしっ!!
 バイト探すぞ!!」
クリスマスまで、あと2週間…。
頑張るぞっ!!







さっきから、同じ言葉が俺の頭を回る。

「…ごめん、しばらく一緒に帰れないの…」
突然告げられた言葉。

「何か用事?」

「うっうんっ。
 そぅなの!!」
少し慌てるように、話す莉音。

「わかった!
 了解!!」
ホントは、どんな用事かききたかったけど…莉音が言うのは困るみたいだし。
俺は聞くのをやめた。