「他に燈真は何か言ってましたか??…私、燈真に何一つ聞かされてなくて」

「そうなの!?」

驚く看護師さん。

だって病気の話すらしてくれない人だよ??


「他は…そうね、今日の事話してた」

「今日??」

「“イヴに一緒にいられないって言ったら、雪帆絶対ヘコむだろーな”とか、“手術成功したら、これから何回もイヴ一緒に過ごせる”とか」


“雪帆絶対ヘコむだろーな”

“これから何回もイヴ一緒に過ごせる”


「燈…真ぁっ……!!」

燈真がそういうふうに想ってくれてたなんて知らなかった。

そんなに想われてたなんて知らなかった。

あたし燈真の彼女で本当によかった。


「雪帆ちゃん」

優しく微笑む看護師さん。

「サンタさんにお願いしてみたらどう??」

「サンタさん…??」

「あら、馬鹿にしないでよ??サンタさんを信じるいい子には必ず幸せが訪れるんだから」

ニコッと笑う看護師さん。


「じゃあ私はそろそろ行くわ。ちゃんとお願いするのよ??」

看護師さんはそう言って、静かに病室を出ていった。