何も言ってくれなかった。

相談してくれなかった。

頼ってくれなかった。


…あたしは何も、知らなかった。

燈真が白血病だったなんて、そんなの一言も…!!


「ちょっと待って、“予定日だった”ってどういう事??」

「「……。」」


バツが悪そうに顔を歪める2人。


「昨日の夜」

先に口を開いたのは、はーちゃんだった。

「あの馬鹿燈真は風邪をこじらせたんだよ」


風邪??


「ウチも今朝知ったんだけど、白血病の患者さんは免疫力が低下してて、ただの風邪でも危ないみたい…」

「え…??」

「で、今手術をするのは燈真の状態からして無理だから、手術の日程が遅れる事になったんだ」


じゃあ。

「燈真は、どうなるの…??」


死ぬなんて、言わないよね??