「あ、雪ちゃん!!!!」


病院に着くと、いの一番に走ってきたはーちゃん。

その顔色は、真っ青で。


「と…ま……は??」

「燈真は中にいる。案内するからついてきて」

「大丈夫だよ、雪帆」


無理矢理な笑顔の2人。

その笑顔は、あたしのため??燈真のため??


…わからないけど、きっとそれが意味するモノはどちらにしても、いい意味じゃない。


“506”

そう書かれたプレート。

あたしたちは506号室の前で足を止めた。


嫌でも目に入ってくる文字。

“藤垣 燈真”の4文字。


ここに来たんだから、ある程度覚悟してた。

…覚悟してた、つもりだった。

わかってた…はずだった。


「燈真、雪帆来たから…開けるよ??」

「……。」

亜子の問いかけに、中からは何の返事もない。

不安になって横にいるはーちゃんを見上げると、口パクで大丈夫、って言ってくれた。


ガチャッと扉が開いて、あたしの目には信じられない光景が広がっていた。