『もっ、もしもし!?雪ちゃん!?』

「はーちゃ、ごめ…寝てて……!!!!」

『いーから!!てか今どこ!?』


…う。


「わ、わかりましぇん…」

『え』


あぁ…あたしって本当馬鹿。

なんで燈真が危ないかもしれないっていう状況で迷子になってんの…。

泣きたい。


「…だって、月夜駅の周りなんて、カラオケと高校の場所ぐらいしかわかんないんだもん」

『言い訳はいいから。周りに何がある??』

「んと…モックとシタバと、ソイゼリヤがある!!!!」

『あー、大通りに出たわけか。え??あ、マジ??』

「どしたの??」

『亜子が雪ちゃんの事迎えに行くからそこで待ってろって』

「亜子様ぁ…」

『ったく…彼氏が大ピン……いや、そーでなくて』


ドクンッ…


「そーでなくないでしょ??」


あたしが震える声でそう聞き返すと、はーちゃんはブツッと電話を切った。

きっと、はーちゃんの口からも言いたくない事なんだよね。


燈真、どうか、無事でいて…。