そんな先輩は、悔しいくらい格好良いんだ。


恋は盲目、なんて言葉を作ったの一体誰だろう。

拍手を送りたいよ。本当にその通りだもん。


机に頬杖をつきながらボーッと外で動く先輩を見つめる。


すると


クルッ




「…え?」




突然こちらを見上げた先輩。


え、な、何。


思わぬ先輩の行動に動揺する私の脳内。


別に私を見つけたとかそんなわけじゃないと思う。

思う、けど。


何となく先輩と目が合ったような気がして。

視線を逸らせなくなって。


それなのに。




「!」




まるで息さえ止まるような感覚。