それからお礼をすべく記憶のなかの上履きの色と顔、声だけを頼りに二年生の教室を渡り歩き、彼を見つけたのが三日後のこと。


そして委員会の席で再会したのがその一週間後のことだった。


"また会ったな"と笑ってくれたのを覚えてる。


本格的に先輩が好きなのだと自覚したのは野球部の夏の大会が始まる少し前。

そこから少しずつ距離を縮めていって。


この約一年半。


一緒に花見をしたり映画を観たり。海にも行ったし花見もした。


学年は違うけど二人でテスト勉強もしたし、先輩の最後の試合も見に行ってたくさん泣いた。


少なからず先輩に近付けているような、そんな気がしていたのに。