『…ほら』




今更ながらなんだか恥ずかしくなって俯けば、突然腕に何かを押しつけられた。


慌てて受けとめると、それは購買で買ったであろうメロンパンで。




『え?』




ナ ニ ゴ ト ?




『それやるから、午後もちゃんと授業受けろよー』




ニカッと、それはもう眩しい夏の太陽みたいな爽やかな笑顔を残し歩いていった彼に目を奪われた。


その笑顔があまりにもキラキラと輝いていたから。




『あ、ありがとうございます!』




我に返り去っていく背中に声をかければ、片手をあげて消えていった彼の背中。


それが、初めての出会い。