そんな時




『…ふはっ!』




後ろから聞こえてきた吹き出すような笑い声。


なんだなんだと思い振り返れば、一人の男子生徒とパチりと視線があった。


涙まで浮かべている彼は上履きの色から見て、一つ年上のようで。笑ったのは彼だったらしい。

そして笑われたのは私らしい。




『わ、悪い悪い。あまりにこの世の終わりみたいな顔してたから』




つい、と言いながら顔に笑みを浮かべこちらに歩み寄ってくる彼。


どうやら彼は私の行動を最初から見ていたようだ。


なんてこった。
見られてたなんて。