「そんな・・・簡単に言うんじゃねーよ!!!」
空輝は、さっきよりも怖い顔をして私を睨んでる。
やっとだ・・・。やっと・・・
「本当の空輝を見してくれたね。」
「は?・・・・。」
空輝は、意味が分からなさそうに私の顔を見た。
「ねぇ、空輝。気持ちを伝えるって難しいよね。」
「・・・・・・。」
空輝は、私の言葉に返事をしなかった。
でも、私は気にせず続けた。
「女が過去のせいでトラウマになっちゃったのかもしれない。」
「・・・・・・・。」
「でもさ、空輝。いつまで逃げてるの?」
私が言った瞬間、空輝の眉毛が少し動いた。
「知ってる?本当は、言えないときが、泣くのを我慢してる時が一番つらいんだよ。」
「・・・・・・だよ。」
「え?」
「俺は、空輝っていう人間なんだよ!!!」
そう叫んで、私を抱きしめた。