『へぇ、じゃあこれから大変になるやろなぁ…頑張りや?』

直宏に電話で話したら、そう言ってくれた。



「うん…まあ、なんとかなる。する。」

『お前らしいよ』


なんか、ちょっと嬉しい。



「らしさ探し…」

『ん…??』

「語ってもいいかしら」

『ははっ…何、ええよ?』


あたしは静かに深呼吸をした。

『…?花梨??』

「あたしはこれから、らしさ探しをしようと思う」

『自分らしさ?』

「うん…直宏、ジェンダーって知ってる?」


少しの沈黙。

直宏は考えているようだ。


『すまん…一晩考えさせてく』

「もうええわ」


久しぶりに関西弁を言ったからか、不思議な感じがした。

慣れって、怖いなあ。