「疾風、鈴姉ちゃん!」

「……爽汰、」


重い沈黙を破ったのはあたしの弟。


こいつ、昔からタイミングだけはいいんだよね


「疾風、なんでこんなとこいるの?学校は?サッカーは?」

「……」

「もう、一緒にサッカーしてくれないの…?」


それは、消え入りそうな声

爽汰のこんな声を聞いたのは、いつぶりだろう


きっと爽汰も、あたしと同じそうに動揺してるんだ。