「ユウには…言うんじゃねぇぞ」
「わかってる」
ユウにだけは
言っちゃいけない。
あいつはこれを…
自分の責任だと追い詰めるから。
「マジで…
弱すぎるよ、あたし」
ベッドに横になって
力なく言う。
「強いから。お前は強いよ」
そうやって櫂兎は
いつもあたしを
安心させてくれる。
「今はこんなことやってらんないんだ。
早く…。戻んないと」
そう思えば思うほど
過去の記憶が
濃く深く蘇る。
「あのこと…だろ??」
「言うな」
「……悪い」
櫂兎が悪いんじゃない。
なのに…。
こいつに寂しそうな苦しそうな顔をさせているのは
あたしなんだよな。