こーみちゃんと競争?
多江と槙は揃って首を傾げると、千波は面白そうに笑みを浮かべた。
「千波の席ってこーみちゃんの隣なんだー。でね、次の中間テスト、一緒に頑張ろーねってことになったの」
それが競争と繋がるのかどうかは二人には分からなかったが、多江としては千波が頑張るというなら応援したいと思う。しかし槙からすると面白くないらしい。目尻を僅かに下げながら文句を零した。
「テストなんて頑張らなくていいのに…」
「いいじゃない、応援してあげれば」
「そうだよー。槙は運動出来るからまだいいけど、千波は運動も勉強もダメだから、余計に頑張らなきゃいけないんだもん」
そして千波がでもね、と声に出して視線を後ろへ向けると、視界に捕らえた亜子を目を細めて見た。
「篠宮さんよりはいい点数とれるって思ってるんだー」
「どうして…? 頭良さそうだけど…彼女」
「ダメだなー、槙は。騙されやすくて」