聖泉高校に通う二年生の篠宮亜子(しのみやあこ)は、成績優秀で入学したときから常にクラスでも学年でもトップの順位に付いていた。中学校からの親友である桜田香美(さくらだこうみ)とは一年のときからクラスが一緒で、二年になった今でも親しい仲で居る。

亜子は黒い髪を腰辺りまで伸ばしそれを結わずに垂れさせ、視力も悪い為眼鏡を掛けている。この格好からして、彼女は大人しく控えめな性格ということが窺える。
比べて香美は茶色がかった前下がりボブの髪型で、制服も少し遊ばせている。亜子とは正反対な香美だが、亜子のことは大切な友人と思っており、亜子も香美を大切にしていた。

亜子も香美も、自分達の仲が裂けることはないとそう信じていたし、ずっと親友で居るのだと分かって居たのだ。


二年になってからの事件が起きる前までは――。