「桜木くん、カッコイイし優しいからモテるよね~。ライバル多そうだから、のんびりしてらんないよ!!」


「うっ・・・。確かに・・・。自信はないけど・・でも、頑張るよ!!」



「はいはい、頑張って~。でも、本気で応援してるからね」



「未来ちゃん~ありがと~大好き~!!」



そう言って、私は未来ちゃんに抱きついた。



「ちょっとー!!教室で抱きつかないでよ~。
 あぁっ!!!和輝くんだ~♥」



「え?どこ??」




「どこって、廊下!!!
 あぁ~カッコイイ」


えっと、和輝くんというのは・・・

未来ちゃんの好きな人。


入学式のときから片思い中なんだって。


初めて見たとき、一目惚れしちゃったみたいです・・・(笑)



私たちと和輝くんはクラスが違うから、和輝くんが廊下を通るだけで


『和輝くんカッコイイ~♥』 とか、


『和輝くんが廊下を歩いてる~!!』とか・・・


いつもそんな事ばっかり言ってます、この人(笑)。



よっぽど好きなんだよね、和輝くんの事。





でもでも!!
私だって、桜木を思う気持ちは誰にも負けてないよ!!



私が桜木を好きになったのは、中学2年生の時。




私が自転車の鍵を学校でなくしちゃったとき、『鍵なくすとか、バカ?』とか言いながら、最後まで一緒にさがしてくれたの。



それで、見つけてくれたんだ。



そのときから、桜木への片思いが始まった。