長い沈黙が続いた。
彩は、英知が自分の手を掴んだ意味を図りかねていた。
ぎゅっと口を真一文字に結んだ英知を見て、いつもと様子が違うことに気付く。
彩はこの前のデートの最後がずっと気になっていた。
もしかしたら、あの日の態度の説明や謝罪でもするのかとも思ったけれど、どうもそういう訳ではなさそうだった。
幼い頃の英知なら、考えることが手に取るように分かったのに。
いつから英知との間に、こんなに距離ができてしまったんだろう。
そして、いつからこんなに英知を意識するようになってしまったんだろう。
今はただ、英知の隣にいるだけで動揺してしまう。
六月の上旬は暦の上ではもう夏だけれど、夜は気温が下がってくる。
英知は夏服だったから少し寒そうに見えた。
そして、週末の練習試合を思い出す。
こんなところに立っていたせいで風邪をひいたら困るはずなのに、英知は口を開こうとしない。
彩は、英知が自分の手を掴んだ意味を図りかねていた。
ぎゅっと口を真一文字に結んだ英知を見て、いつもと様子が違うことに気付く。
彩はこの前のデートの最後がずっと気になっていた。
もしかしたら、あの日の態度の説明や謝罪でもするのかとも思ったけれど、どうもそういう訳ではなさそうだった。
幼い頃の英知なら、考えることが手に取るように分かったのに。
いつから英知との間に、こんなに距離ができてしまったんだろう。
そして、いつからこんなに英知を意識するようになってしまったんだろう。
今はただ、英知の隣にいるだけで動揺してしまう。
六月の上旬は暦の上ではもう夏だけれど、夜は気温が下がってくる。
英知は夏服だったから少し寒そうに見えた。
そして、週末の練習試合を思い出す。
こんなところに立っていたせいで風邪をひいたら困るはずなのに、英知は口を開こうとしない。