「そっか。」



彼女はまたぽつりと呟く



「私、」



あとの言葉は聞こえることはなく
彼女の中で消えてった。



傷だらけの彼女が
僕の言葉に何を思い、何を感じたかはわからない。



わからない。



僕は彼女のことはわからない。
けれど僕にとって彼女は
遅れてやってきた青春のようなものだった。