「半袖、半パンに赤いハチマキ首にかけてる。」



えーっという伊吹の声が聞こえる。



俺はグラウンドの方へ少し歩き、すぐに伊吹を見つける。



やっぱ俺ってすげー。



「俺、伊吹のこと見っけた。行くから動くなよ?」



『え?ほんと?じゃあ待ってるねー。』



再度伊吹を確認して歩き出す。



弁当、作ってきてくれてんのかなー?


伊吹の横顔が見つかり、笑いながら近寄る。




「伊、ぶ……き?」



伊吹は知らない男と話していた。



スーツを着こなし、大人って感じの空気を漂わせている。



誰だよ…。


伊吹があんなやつといるのを見るたんびに俺との年の差を痛感させられる。
俺はまだ高校生のガキで、ちゃんと自分で稼ぐことも出来ない。



だからああいうやつ見ると俺の小ささを自覚せざるをえない。