その、私の気持ちに彼女が応え、私の前に現れてくれたのだ。

 私は、小さいころから勉強が好きだった。

 こんなことを言うと、優等生の鼻持ちならないお嬢様という印象になってしまう。が、運動が好きな人、音楽が好きな人がいるように、勉強が好きな人がいていいと思っている。

 ただ、多感な思春期のころには勉強が好きだとは大きな声ではいえなかった。むしろ優等生に見られるのが嫌でわざと点数を落としたこともあった。


 知的好奇心を満たすこと、出来ない小さな作業ができるようになっていくこと、そういったことを積み上げ、自分の身についていくのが楽しくてたまらなかった。

 だから、迷わずに医者の道を突き進んできた。

 専門の知識・技術をいかんなく発揮しながら、人の命を救う医療の現場で活躍する自分を夢見ながら……