「今日は!」
私が大きな声を出したのにびっくりして振り返った。

「今日は…今日だけは、沙織さんの事は忘れて一緒に居てくれるって言ったじゃん!
だから、私今まで何にも言わなかったんだよ?!
自分のせいで人が死にかけたって聞いたら、きっと私でも力になってあげたいとも思うよ?
でもさ、今日は普通の日じゃないじゃん。
彼女の誕生日なんだよ!?
それに、伸二が私に沙織さんの事話してくれてから沙織さんと会う回数増えてるよ!
いつかは離れないといけないのに、伸二に頼ってばっかりでどうするの?!
伸二が優しくするから調子にのるんじゃないの!?
これじゃ、どっちが彼女なのか分からないよ!」

溜まっていたものが一気にでた。


伸二がこちらを見ていた。

そして口を開く。

「ごめん…」

その言葉だけを置いて出て行った


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