そこには少し顔を朱めた伸二が居た。

私が見ている事に気付いて言った
「久しぶりだから何か照れるな…」

「うん…」
本当はそんな事なんて考えてなくて、私の頭の中はピアスでいっぱいだった。

気になるのは当然…だよね?

でも
今は何も聞かなければ
私とのキスに浸っている伸二との間にはきっと、やんわりとした暖かい空気が流れるのだろう…

そうだと信じたい…

でも、人生ってものは
そんなに上手くいくほど簡単なものではない。


ピリリリ…電話だ。


着信 沙織


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