この時のキスは、何も感じなかった。

ただ、口を伸二というモノに塞がれていただけ。

灰色のキス…

離れた唇は艶やかだった。

私のグロスが悲しく光る――

それを見て、今まであれはここに重なっていたんだと再認識して少し俯いて顔を上げた。


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