「空手興味ない?ん?」
室内の部活のはずなのに色黒な彼。
笑った時に見えた白い歯が対照的ですごく綺麗。
「えーと、その…まあ少し見たいような…」
っていうか、うん。そこまで見たくはないんだけど…流れ的に合わせた方いいかな…
「えっ?千夏空手興味ないってさっき…」
ああもうっ!…それはそうだけど今それ言っちゃったら…
悪気のない加奈の言葉を聞いて、明らかに落ち込む爽やかな空手くん。
…入る気ないとか言えなくなっちゃうじゃん。
「そ…そうだよね…こんな汗くさい部活なんて興味、ないよね…」
あーあ、ほら。
加奈どうしてくれるのよ……
にしても、意外にメンタル弱いなこの人。
空手やってるのに。
って関係ないか。
さてどうしよう。
「ごめんね、勧誘うざかったよね」
眉がハの字になってる彼が少し可哀想になってきて。
気づいたら
「みっ、見るだけなら…」
なんて、背を向けた彼に言ってしまってた。