神父に“終生変わらぬ愛”とやらを誓わされ、最後に誓いのキスをする場面。


 レースのヴェールをめくり、高慢ちきな結衣の顔が露になると、俺はそれを冷ややかに睨みながら、ゆっくり顔を近付けていった。


 初めて触れた彼女の唇は、想像したよりも柔らかく、温かい。それを俺の舌でこじ開けると、彼女も遠慮がちだがそれに応えた。


 俺がその舌先を前歯でカリッと噛むと、彼女はビクンと反応し、大きく目を見開いた。


 それがこの悪女への、復讐が始まる合図だった。