そう。俺はさっきからずっと結衣を見ていた。

 今日の結衣は真っ青なドレスを着ていて、かなり離れた俺の位置からでも、一際目立っていた。もちろん髪は綺麗にセットされ、ブロンド色に輝いている。


「でもよ、何か寂しそうだな。あ、そうか、おまえがこんな所にいるからだよ。あっちへ行ってやれよ?」


「いや、いいんだ」


「なんで?」


「なんでも、だ」


「あ、そう」



 社長や一条海の挨拶が終わり、チラリと時計に目をやると、そろそろだなと俺は思った。