「流石ですね。その通りですよ」


 図星をつかれたのと、自虐の意味で、俺は思わずニヤッとしてしまった。


「笑うんじゃない! 結衣を幸せに出来ないなら、初めから結婚なんかすべきじゃなかったんだ。そうすれば、結衣は傷つくこともなかったはずだ」


 一条海のその言葉に、俺はカチンと来た。


「俺だって傷つきましたよ。あんたにも責任があるんですよ? あんたが結衣をけし掛けたから……」


 それは結衣から聞かされた話、つまり従兄である一条海が、『積極的に迫ってみろ』と、結衣をけし掛けた事を言ったのだが……


「私が結衣をけし掛けた、ですか? わけの分からない事を言うんじゃない!」


 キッパリと否定されてしまった。