その日の俺は、まるっきり魂の抜け殻だった。
どうやって会社へ行ったかも分からず、会社で何をしてたのかも分からず、いつ、どうやってマンションへ帰って来たのかも……
家にはもう、結衣はいなかった。自分で追い出したのだから当たり前なのだが。
リビングのテーブルの上に、1枚の白いメモが置いてあった。それを手に取って読むと、俺はフッと笑ってしまった。
そのメモには、昨日のカレーが冷蔵庫に入れてあるので、それを温め直して食べるように、と書いてあった。
まるで用事があって、ちょっと出掛ける妻の夫への書置きのようだ。別れの言葉も、恨み言も一切なく。
真っ暗な寝室へ行き、冷たいベッドに倒れこむと、堰を切ったように涙が流れ出し、止まらなかった。
それでも翌朝はよろよろと起き出し、のろのろとではあるが会社へ向かった。我ながら、昨日よりはしっかりしてると思う。こうやって、少しずつ立ち直って行くのだろうな……
今頃、結衣はどうしてるのかな。結衣も、俺みたいに落ち込んでるのだろうか。案外、俺と別れてすっきりしてるのかもな。だとしたら悔しいが、その方がいいと思う。結衣にとっては……
どうやって会社へ行ったかも分からず、会社で何をしてたのかも分からず、いつ、どうやってマンションへ帰って来たのかも……
家にはもう、結衣はいなかった。自分で追い出したのだから当たり前なのだが。
リビングのテーブルの上に、1枚の白いメモが置いてあった。それを手に取って読むと、俺はフッと笑ってしまった。
そのメモには、昨日のカレーが冷蔵庫に入れてあるので、それを温め直して食べるように、と書いてあった。
まるで用事があって、ちょっと出掛ける妻の夫への書置きのようだ。別れの言葉も、恨み言も一切なく。
真っ暗な寝室へ行き、冷たいベッドに倒れこむと、堰を切ったように涙が流れ出し、止まらなかった。
それでも翌朝はよろよろと起き出し、のろのろとではあるが会社へ向かった。我ながら、昨日よりはしっかりしてると思う。こうやって、少しずつ立ち直って行くのだろうな……
今頃、結衣はどうしてるのかな。結衣も、俺みたいに落ち込んでるのだろうか。案外、俺と別れてすっきりしてるのかもな。だとしたら悔しいが、その方がいいと思う。結衣にとっては……