…サクッサクッサクッ…


和樹「いたっ‼」

『さっきと、同じ場所に…彼女は立って居た。
僕を見つけると、嬉しそうに…また手を振ってきたんだ…
もしかして…僕に似た誰かと間違えてるんじゃないかな…。
だとしたら、近づいて行っても…変なふうになるよな…
そんなことを思って…引き返そうとしたとき……
彼女、さみしそうな顔をしたんだ。
悲しそうに…弱々しく手を振っているんだ。
僕、なんだか悪い気がしてさ…
手を振り返してみたんだ…すると彼女…
すごく嬉しそうな顔をしてさ。その時…
あぁ、もうどうでもいいや、という気になって…
僕は彼女の元へ近づいて行った…。』


…サクッサクッサクッ…

…バシャンッ…

和樹「!?」

『数歩歩いて…僕の足はみずたまりにはまった…。
あわてて足元をみると…ソレ…
みずたまりじゃないんだよね。湖。
そこはもう、湖のなかだったんだ。おかしいよね?!
だって、僕は彼女の立っているところを目指して、
真っすぐ歩いてたんだよ?
なのに、湖のなかって……
じゃあ、彼女の立っている場所はどこなんだ…?』