ごめん、とか言い訳とか。
いろいろ頭に浮かんだ言葉はたくさんあったけど、そんな薄っぺらい言葉なんか使いたくなかった。
だけど他の言葉は出て来なくて、俺はなす術なく再び俯いた。
「……ちょ、何深刻な顔したてんだよ!柊哉、誤解すんなよ?!」
「は?誤解って……俺、お前も愛波も裏切って……」
あ、やばい。
心臓がバクバクいって、痛い。
「ほんと何やってんだよ。俺は未だしも愛波ちゃんは傷付けんなって」
「海斗だって……」
傷付いてるくせに。
そう言いたかったけど、言葉がどうも続かない。
姉ちゃんの言葉が、頭を横切った。
八方美人なのも二兎追ってしまうのも、駄目なんだと、わかっていた。