頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。
俺……何をした?
キスされたんだ、陽菜に。
「……!!」
今更ながら、恐ろしい事をした、という実感がふつふつと湧いて来た。
しばらく黙ったままの陽菜の真っ黒な髪が、何故か愛波のいつも可愛らしく巻いてある茶髪を連想させた。
とりあえず、何とかしなきゃだ。
「……陽菜、俺……
「あははっ!ははははっ!!」
「は、陽菜?」
何か言わなくては、と思った俺は、突然笑い出した陽菜に呆気に取られて、素っ頓狂なら声が出た。
「ごめんね、柊哉」
一瞬いつも通りの陽菜の笑顔に見えて、何となく拍子抜けしたんだけど。
「愛波ちゃん、結構ショックだったのかな?」
「え?」
「そりゃそうだよね。自慢の彼氏が見知らぬ女とキスしてたんだもんね」