あたしは反射的に、茂みに隠れていた。


……帰ろう。

今裏門から出れば、鉢合わせすることはない。


音を立てないように、そっと茂みから抜け出した。

そして一目散に裏門まで駆けた。


いくらでも疑問は沸いて来た。


あんな暗闇で何してるの?

ていうか、部活は?

大好きなはずの部活をサボってたの?

あたしじゃない、あの子とキスしたの?


寝起きでぼやけてた頭が冴えてきて、後味の悪い苦みが身体中に広がった。