『篠原さん。』



「光だ。」




『光さん。』




「………ちっ。」




『ごめんなさい、光。』




篠原さん、と呼ばれる度にムカついている俺がいる




直樹は、昔から仲がよかったから名前で呼んでいたのは理解するが




俺よりあとに知り合った、雅治と拓真を名前で呼んで



俺は名字呼び




俺以外に向けられる笑顔も見ているだけで、ムカついてくる




どれだけ俺は、怜に執着して惚れているのだろう