『……好きだよ。』




伝える相手がいない言葉をポツリと呟く




部屋の中で響いて、ただ消えていくだけ




なんて、悲しいんだろうね……






「好きなやついんの?」





『いるよ……。遠い存在で私には手に届かない。』






「その彼は、芸能人?」




『うん。私とは、かけ離れた存在だよ。』





えっ!?




さっきから、ボーッとしてたから




質問されてたから




答えて(しかも真面目に)いただけなのに





一瞬、私は何を見ているか理解できなくなった