カタ…
よし、窓があいていた。
俺はひょいっ、と軽々登った。
「…ふぅ」
ちょっと落ち着くと、
あたりを見回してみた。
…本当静かだな…
「俺以外にいねぇんじゃん?」
ちょっと安心していた。
そのときだった。
「あっ!みぃーつけたっ!」
…木村の声だ。
「んふふ。…って、あれ?」
?なんだ?
「栞ちゃんじゃない!」
シオリチャン?
この部屋に誰かいたのか?
「あ、木村さん…
誰が探してるんですか?」
「うん!男の子ここにいる?」
栞という女は、しばらく考え、
にっこりとしてこう言った。
「見覚えありませんね」
