それが嬉しくて、胸がぎゅっと締め付けられる感覚に陥った。
「っ・・ありがとう」
「どういたしまして。さ、行こうか。皆 あげはの帰りを待ってるよ?」
「そうだと良いな。だって何にも言わずに出てきちゃったのに」
自分でも酷いことをしたと思ってる。
柚が居なくなって哀しいのは私だけじゃないのに。
「大丈夫だよ。ずっとあげはの帰りを待ってたんだ。だから2年も諦めずに探してた。絶対に君は帰ってくるって全員信じてだから」
真剣な眼差しでしっかりと私の瞳を見ながら話す由樹。
・・・ありがとう。
そんな言葉じゃ表せないくらい感謝してるよ。
「うん・・・じゃ行くよ」
そう言って2人で倉庫へ向かった。
――それを奈留に見られていたなんて誰も気付かなかった。
そして
「う・・・・そ・・・・だよ、ね?
あげはが・・・・・地獄姫、なんて・・」
そう呟いていたことを。