―貴女がそう望むのなら。ついでに 一つ言っておくわ。この私の人格が出来たのは、貴女が来栖家来る前からよ。
そんな前からいたの。でも、それでもいい。どうやれば貴女と変われる?
―物分りが良くて助かるわ。変わるときは同時に【あげは】と言うの。そして目を瞑るの。それだけよ。
簡単なのね。そう思って目を瞑る。そして
―あげは―
すっと目を開ける。私はもう一人にあげは。
あげは、聞こえるかしら?
―うん、聞こえるよ。中は暗いんだね。視覚は共有できるんだ。
えぇ、出来るわよ。それに貴女が思ったことは私と同じ考えなのよ?
―へぇ。筒抜けって事か。あ、紅蓮の倉庫に着いたみたいだね。
そう見たいね。由樹達に言わなくて大丈夫なのかしら。
―私と思考が一緒なら私が言った事言っておけば大丈夫。言葉使いもなんとかなるでしょ?
まったく・・・。分かったわ。じゃあしばらく喋るのをやめるわね。言いたいことは分かるから。
―分かった。よろしくね。
そういうと中のあげはは眠っていった。