紫苑と柚の実力はほぼ同じ、互角ゆえに、決着が付かなかった。
殴る、避ける、いなす、の繰り返し。
だんだんと息も上がってきた2人。
次にどちらか一発決まれば、もう倒れる寸前まで来ていた。
その時、
パァンッ
その場では在りうるはずのない銃声が聞こえ、みんなその音の方へ振り向いた。
「ははっ、零、お前そんなのどこで手に入れたんだ」
そこには拳銃を手にニコニコと笑っている零の姿があった。
「ふふっ、内緒だよ。それよりさ、金騎士、そのお姫様俺に渡してくれない?」
「俺が渡すと思う?」
「思わないね。だから実力行使さ」