金曜日、長谷川くんに『中学だって、高校だって、もちろん大学だって。それから今の会社だって。みんなにモテて、みんなに大事にされてきたんだからっ!! それなのに、何!? この扱いは――!!!』そう言ったけど、あれ、半分は本当で半分は嘘。


だって、あのニュアンスだと“男”に大事にされてきた……そう受け取られたかもしれないけど、高校まで私を大事にしてくれたのは男じゃない。


大学以降大事にしてくれたのも……男じゃない。


でも小さいときから、にこにこしてさえいれば全て望みは叶えられたから、男の前でもそう振舞っただけ。


それだけで、表面上の優しさはたやすく手に入った。