振り返って見たら


もう詩織はいなかった。




やっぱり引き止めればよかった。


行くなって言えばよかった。


カッコ悪くても、詩織を奪ってやりたい。





「お、南!」





トイレに入ろうとすると


通りかかった担任に話しかけられた。





「何?」


「お前最近、成績落ちてんだろ?

 前は小テストでも満点だったのに」


「あー…すいません」


「何かあったのかぁ?」


「いや………別に」





詩織と別れて、やる気でないんだよな


なんか、疲れたっつーか。