あたしは無視して


その場にしゃがみ続けた。





「立てば?」


「……ゃだ…」


「……寒いから中入れば」





ぶっきらぼうに言うと


新垣くんはパサッとあたしに何かをかけて


帰って行った。




顔を上げてないからわかんないけど


靴を擦る音が聞こえて


だんだんその音が小さくなっていった。




音が聞こえなくなって顔をそっと上げた。





「バカ………新垣くんも

 先輩も………っ」