勢い良く投げ飛ばされた新垣くんは


ロッカーにぶつかった。





「いってー……」





静かにそう言うと新垣くんは


先輩を鋭い目つきで睨んだ。





「奪うって何だよ

 あ?……言ってみろよ?」


「アンタなんかより…

 俺のが似合うって意味だよ」


「フッ…すげー自信だな?

 これが自過剰ってヤツ?」


「るせぇ……」





先輩はあたしを片手で抱きしめたと思えば


背中をさすってくれた。